「シングルマザーだから、付き合うのはやめておこう」
僕は、そんなふうに考えて彼女と付き合ったわけではありませんでした。
むしろ、彼女に子どもがいることは分かっていましたが、それを理由に付き合うかどうかを決めたわけではありません。
彼女のことが好きだった。
一緒にいて楽しかった。
そして、
「この人となら、二人でいろんなことを乗り越えていける」
最初は、本気でそう思っていました。
僕自身も結婚したいと思っていたので、彼女と付き合い始めた頃は、いつか二人で家庭を作れたらいいなと考えていました。
でも、時間が経つにつれて、少しずつ考え方が変わっていきました。
彼女には子どもがいる。
だから、僕たち二人だけの気持ちだけで将来を決めてはいけない。
子どもがどう感じるのか。
今まで一緒に過ごしてきた実の父親との関係はどうなるのか。
自分は、本当にこの家庭を支えていけるのか。
そうやって考えるうちに、僕の中にはたくさんの葛藤が生まれていきました。
そして先日、別れることになりました。
今回は、そんな僕自身の経験から、
「シングルマザーとの恋愛は、なぜ難しいと感じることがあるのか」
について書いてみたいと思います。
これは、「シングルマザーだから恋愛は難しい」という話ではありません。
僕がこの恋愛を通して感じたのは、むしろ、
好きな人と一緒にいたいという気持ちだけでは、簡単に答えを出せない恋愛がある
ということでした。
- シングルマザーだから付き合ったのではない。好きだったから付き合った
- 結婚したい。でも、すぐに結婚することには迷いが出てきた
- 子どもの気持ちを置き去りにしてはいけないと思った
- 実の父親との関係を、自分が壊してしまうのではないか
- 自分は、この家庭を本当に背負っていけるのか
- そんな中で、彼女の生活そのものが大きく変わった
- 彼女は「今は恋愛より、仕事と育児を100%頑張りたい」と決めた
- 「解決策を探せばいい」と思っていた。でも、彼女にはそのエネルギーがなかった
- 彼女を取り巻く環境まで考えながら恋愛する難しさ
- 一番後悔しているのは、「彼女の苦しさに気づけなかったこと」
- 「自分が悪かった」と決めつける必要はない
- 失恋して初めて、「結婚」と「恋愛」は違うと感じた
- 「シングルマザーとの恋愛は難しい」のではなく、家族になることが難しい
- 今でも、「もし違う選択をしていたら」と考える
- この失恋から、自分自身について考えたこと
- まとめ|好きだったからこそ、簡単には割り切れなかった
シングルマザーだから付き合ったのではない。好きだったから付き合った
最初に伝えておきたいのは、僕は彼女を「シングルマザー」という条件で見ていたわけではないということです。
彼女に子どもがいることは、もちろん付き合う前から知っていました。
でも、
「子どもがいるからどうしよう」
とは、あまり考えませんでした。
それ以上に、
「この人と一緒にいたい」
という気持ちが強かったからです。
子どもがいても、二人なら何とかなる。
最初は、そんなふうに考えていました。
実際、付き合い始めた頃は、とても幸せでした。
子どもとの関係も、最初からうまくいっていたわけではありません。
どう接していいのか分からないこともありました。
それでも、一緒に遊んだり、過ごしたりする時間が増えるにつれて、少しずつ距離が縮まっていきました。
名前を呼んでもらえたり、
「一緒に遊ぼう」
と誘ってもらえたりするようになったことは、本当に嬉しかったです。
だから僕の中には、
「このまま三人で暮らせたらいいな」
という気持ちも、少しずつ生まれていきました。
結婚したい。でも、すぐに結婚することには迷いが出てきた
付き合い始めた頃、僕は結婚したいと思っていました。
好きな人と一緒に暮らして、家庭を作る。
それは僕自身が望んでいたことでもありました。
でも、将来のことを考えていくうちに、少しずつ不安が出てきました。
「すぐに一緒に暮らして大丈夫なのだろうか」
「結婚して、いきなり三人の生活になったら、子どもはどう感じるんだろう」
そんなことを考えるようになったからです。
ステップファミリーについて調べたり、本を読んだりする中で、継親子関係は一般的な親子関係とは違う独自の難しさがあることも知りました。
研究でも、ステップファミリーでは「継親が実親を置き換える」といった単純な家族像ではなく、子どもとそれぞれの親との関係を含めた、複雑な関係性を考える必要があると指摘されています。
そのことを知るほど、
「好きだから結婚する」
だけでは決められないように感じてきました。
子どもの気持ちを置き去りにしてはいけないと思った
僕が一番考えるようになったのは、子どもの気持ちでした。
大人同士で、
「結婚しよう」
と決めることはできます。
でも、その決断に子どもの気持ちが追いついているとは限りません。
だから僕は、
「すぐに結婚するより、まずは三人でゆっくり関係を作っていったほうがいいんじゃないか」
と思うようになりました。
子どもが僕のことをどう感じているのか。
一緒に暮らすことをどう受け止めるのか。
時間をかけながら関係を作っていくほうがいいのではないか。
そんなふうに考えていました。
これは、僕自身が「父親になればいい」と簡単に考えられなかったからでもあります。
むしろ、
「自分は、この家庭にどう入っていけばいいんだろう」
という迷いがありました。
実の父親との関係を、自分が壊してしまうのではないか
もう一つ、僕の中で大きかったのが、子どもと実の父親との関係でした。
子どもは、実の父親のことが好きでした。
そして今も会っている。
僕は、その関係を大切にしてほしいと思っていました。
だから、
「自分が結婚して籍を入れたら、実の父親との関係を壊してしまうことにならないだろうか」
と考えることがありました。
もちろん、結婚したからといって、必ずしも実の父親との関係がなくなるわけではありません。
でも、子どもからすれば、自分の家庭の形が大きく変わることになります。
研究でも、ステップファミリーを考える際には、継親だけでなく、離れて暮らす実親との関係をどう継続していくかという視点が重要だとされています。
だから僕は、
「自分が父親になればいい」
とは思えませんでした。
むしろ、
「この子にとって、自分が入ることは本当に幸せなのだろうか」
と考えていました。
自分は、この家庭を本当に背負っていけるのか
そして、もう一つ避けて通れなかったのが、自分自身の問題です。
「自分は、この家庭を支えていけるのだろうか」
これは、かなり大きな葛藤でした。
彼女と子どもと三人で暮らす。
そうなれば、恋人同士の生活とは違います。
仕事だけではなく、家事や生活費、子どものことなど、考えることが増えていきます。
もちろん、最初から完璧に何かを背負う必要はないと思います。
でも、
「結婚する」
と考えるなら、やっぱり現実的なことも考えなければいけません。
今までの僕は、「好き」という気持ちを中心に考えていました。
でも、将来を考えるようになってから、
「好きだけで生活はできない」
という当たり前のことを、改めて考えるようになりました。
そんな中で、彼女の生活そのものが大きく変わった
僕たちの関係が変わっていったもう一つの大きな出来事がありました。
彼女が、子どもと二人で実家を出て、新しい生活を始めたことです。
それまでとは生活が大きく変わりました。
仕事をしながら子どもの面倒を見る。
家事をする。
生活を維持する。
引っ越したばかりということもあり、日々がかなりバタバタしていたのだと思います。
時間もありません。
お金の問題も出てきます。
そうなると、恋人との時間を作ることは、どうしても後回しになっていきます。
実際、日本のシングルマザーを対象とした研究でも、ひとりで子どもと生活する母親では、長い労働時間や仕事上のストレスが子どもと過ごす時間に影響していることが示されています。
また、シングルマザーでは、育児に伴うストレスや疲労が大きくなりやすいことを示した研究もあります。
もちろん、彼女にその研究結果を当てはめて、「だから別れた」と決めつけることはできません。
でも、僕が実際に彼女の生活を見て感じたのは、
「今の彼女にとって、仕事と子育てを優先することは、とても自然な選択だったんだろうな」
ということでした。
彼女は「今は恋愛より、仕事と育児を100%頑張りたい」と決めた
そして、彼女から別れを告げられました。
彼女が言っていたのは、
「今の私には、恋愛モードになるのが難しい」
ということでした。
そして、
「今は仕事と育児を100%頑張ることを選びたい」
という気持ちでした。
その言葉を聞いたとき、最初はやっぱり苦しかったです。
「まだ話し合えば何とかできるんじゃないか」
と思いました。
一緒に暮らしたらいいんじゃないか。
自分が家事をもっと負担すればいいんじゃないか。
デートにかかるお金も、自分が負担すればいい。
何かできることはあるはずだ。
そんなふうに考えました。
でも、そこには僕自身の思い込みもあったのかもしれません。
「解決策を探せばいい」と思っていた。でも、彼女にはそのエネルギーがなかった
僕は、問題が起きたら、
「二人で話し合えば解決策を見つけられる」
と考えるタイプです。
だから、
「自分がもっと支える」
「こうすれば時間を作れる」
と解決方法を探そうとしました。
でも、彼女にとっては、
「恋愛を続けるための解決策を考える」
こと自体が、もう大きな負担だったのかもしれません。
仕事と育児で精一杯。
生活を立て直すことで精一杯。
その状況の中で、恋人との関係まで話し合い、調整し、維持していく。
それには、かなりのエネルギーが必要です。
研究でも、仕事や家庭の負担が大きいほど、カップルが二人のために使える時間が制約されることが示されています。
だから今振り返ると、
僕は「どうすれば付き合い続けられるか」を考えていた。
でも彼女は、
「今の自分に恋愛を続ける余力があるのか」
を考えていた。
もしかすると、そこに大きな違いがあったのだと思います。
彼女を取り巻く環境まで考えながら恋愛する難しさ
今回、僕が一番強く感じたのはここです。
シングルマザーとの恋愛は、
「彼女と自分の二人の問題」
だけではありません。
子どもがいる。
仕事がある。
生活がある。
お金がある。
実の父親との関係もある。
そして、彼女自身の心身の余裕もある。
いろいろなものが重なっています。
だから、たとえ二人がお互いに好きだったとしても、恋愛だけを中心に人生を動かすのは難しいことがあります。
これは、シングルマザーだから悪いという話ではありません。
むしろ、子どもがいる家庭では当然のことなのだと思います。
子どもを最優先にする。
それは、親として自然なことだからです。
彼女が、
「今は仕事と育児を100%頑張りたい」
と決めたことも、僕は理解しています。
そして、その気持ちを聞いたとき、
「それなら、別れたほうがいいのかもしれない」
と、僕自身も少しずつ思うようになりました。
一番後悔しているのは、「彼女の苦しさに気づけなかったこと」
今回の別れで、僕が一番考えてしまうのは、
「もっと早く彼女の苦しさに気づけていたら」
ということです。
彼女は、もともと自立している女性でした。
人にあまり頼らない。
お金のことでも、僕が出そうとしても「大丈夫」と言う。
自分のことは自分でやる。
だから僕は、
「大丈夫なんだろう」
と思っていた部分があったのだと思います。
でも、「自立していること」と「余裕があること」は、同じではありません。
自分で頑張れる人ほど、
「大丈夫」
と言い続けてしまうこともあります。
もしかしたら彼女も、いろいろなことを一人で抱えていたのかもしれません。
僕は、
「もっと支えてあげればよかった」
とも思います。
でも、それと同時に、
「もっと早く、彼女自身がどれだけ大変なのかを聞けばよかった」
とも思っています。
失恋すると、
「自分が悪かった」と決めつける必要はない
「もっとこうしていれば」
「自分が悪かった」
「気づけなかった自分がダメだった」
と考えてしまいます。
僕自身も、何度もそう考えました。
でも、認知行動療法の考え方では、起きた出来事そのものと、それに対する自分の解釈を分けて考えることが大切です。
今回の事実は、
「彼女の生活環境が大きく変化し、仕事と育児を優先するため、恋愛を続けることが難しくなり、別れることになった」
ということです。
一方、
「全部自分が悪かった」
「自分にもっと力があれば別れずに済んだ」
というのは、出来事に対する自分の解釈です。
もちろん、自分自身を振り返ることは大切です。
僕にも、もっとできたことがあったのかもしれません。
でも、恋愛は一人では続けられません。
自分だけが頑張れば必ず続くものでもありません。
だから今回の別れを、
「自分がダメだったから」
という一言だけで終わらせないようにしたいと思っています。
失恋して初めて、「結婚」と「恋愛」は違うと感じた
今回の恋愛で、僕は結婚というものを以前より現実的に考えるようになりました。
恋愛なら、
「好き」
「一緒にいたい」
という気持ちが大きな力になります。
でも、結婚や家族になることを考えると、
生活。
子ども。
お金。
仕事。
家族関係。
将来の価値観。
いろいろなものが関わってきます。
そして、子どもがいる場合は、さらに「子どもの気持ち」があります。
だからこそ、
「二人が好きなら、それで大丈夫」
とは簡単には言えない。
今回の恋愛を通して、僕はその現実を初めて実感しました。
「シングルマザーとの恋愛は難しい」のではなく、家族になることが難しい
今回のことを振り返って、僕は少し考え方が変わりました。
シングルマザーとの恋愛が特別に難しいというより、
子どもを含めて家族になっていくことには、恋愛とは違う難しさがある。
そういうことなのだと思います。
大切なのは、無理に「普通の家庭」に当てはめることではないのかもしれません。
子どもには実の父親がいる。
母親と子どもの関係がある。
そこに新しいパートナーが入っていく。
その関係を、みんなが無理なく受け入れていくには時間が必要です。
ステップファミリーでは、実親と子どもの関係、継親と子どもの関係、そして大人同士の関係を別々に考える必要があるという指摘もあります。
だから、「恋人になったから、すぐ家族になれる」というものではない。
時間をかけて、少しずつ関係を作っていく。
僕自身も、そう考えるようになっていました。
今でも、「もし違う選択をしていたら」と考える
別れた今でも、
「もしもっと早く一緒に暮らしていたら」
「もっと自分が支えていたら」
「もっと彼女の気持ちを聞いていたら」
と考えることがあります。
でも、今の僕には、
「別れなければよかった」
だけではなく、
「彼女にとっては、この選択が必要だったのかもしれない」
という気持ちもあります。
彼女にとって、一番大切なのは子どもです。
その子どもとの生活を守るために、今は仕事と育児を優先する。
その選択をした彼女の気持ちは、僕にも理解できます。
だから、苦しいけれど、
「自分を選んでほしかった」
とだけ思うこともできません。
この失恋から、自分自身について考えたこと
今回の恋愛で、僕自身にもいろいろな課題が見えてきました。
自分は結婚したいのか。
どんな家庭を作りたいのか。
子どもがいる家庭に入る覚悟があるのか。
自分は何を大切にしたいのか。
そして、相手に何かをしてあげることだけではなく、
「相手が今どんな状態なのかを見る」
ことも大切なんだと学びました。
恋愛では、
「自分が何をしてあげられるか」
ばかり考えてしまうことがあります。
でも、本当に必要なのは、
「今、この人は何を求めているんだろう」
「そもそも今、この人に恋愛をする余裕があるんだろうか」
と考えることなのかもしれません。
まとめ|好きだったからこそ、簡単には割り切れなかった
今回の失恋は、
「シングルマザーだから別れた」
という単純な話ではありません。
僕は、彼女のことが好きでした。
子どもがいても、一緒にやっていけると思っていました。
むしろ最初は、結婚したいと思っていました。
でも、時間が経つにつれて、
子どもの気持ち。
実の父親との関係。
自分が家庭を支える覚悟。
彼女の生活環境。
仕事と育児。
お金。
時間。
いろいろな現実が見えてきました。
そして、彼女自身も生活が大きく変化する中で、
「今は仕事と育児を100%頑張りたい」
という選択をしました。
僕は最初、
「話し合えば、何とかできる」
と思っていました。
でも、恋愛を続けるために話し合うこと自体が、彼女にとって大きな負担になっていたのかもしれません。
そこに気づけなかったことは、僕自身の反省点です。
ただ、それを全部「自分のせい」にするつもりもありません。
恋愛は、一人では続けられないからです。
今回の恋愛で僕が学んだのは、
好きな人と一緒にいることと、その人と家庭を作ることは、同じではない
ということでした。
そして、
相手を好きになることは、その人の人生や環境まで考えることでもある。
だからこそ、シングルマザーとの恋愛には、恋愛感情だけでは乗り越えられない葛藤があるのだと思います。
今はまだ、失恋の痛みがあります。
ふとした瞬間に彼女のことを思い出します。
子どもと過ごした時間を思い出すこともあります。
「もっと違うやり方があったんじゃないか」と考えることもあります。
それでも、この恋愛をなかったことにはしたくありません。
彼女を好きだったこと。
子どもとの関係を築こうとしたこと。
将来について悩んだこと。
そして、別れを経験したこと。
全部が、これから自分がどんな人生を生きたいのかを考えるための材料になったからです。
いつかこの失恋を振り返ったときに、
「この恋愛があったから、自分は少し家族というものを理解できた」
と思えたらいい。
今は、そんなふうに思っています。


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