「シングルマザーだから、付き合うのはやめておこう」
私は、そんなふうに考えたことはありませんでした。
彼女に子どもがいることは、付き合う前から知っていました。それでも、彼女のことが好きだった。一緒にいて楽しかった。
「この人となら、二人でいろんなことを乗り越えていける」
最初は、本気でそう思っていました。
でも、時間が経つにつれて、私の中にはたくさんの葛藤が生まれていきました。そして先日、私たちは別れることになりました。
この記事では、私自身の経験から「シングルマザーとの恋愛を、なぜ難しいと感じたのか」を書いてみます。先に伝えておくと、これは「シングルマザーだから恋愛は難しい」という話ではありません。好きという気持ちだけでは、簡単に答えを出せない恋愛がある。そういう話です。
この記事でわかること
- 結婚を考えたときに見えてきた、3つの葛藤
- 「話し合えば何とかなる」と思っていた私と、彼女とのすれ違い
- 失恋のあと、「全部自分が悪かった」と決めつけないための考え方
好きだったから付き合った。最初は本当に幸せだった
彼女のことを「シングルマザー」という条件で見ていたわけではありません。
「子どもがいるからどうしよう」と悩むより、「この人と一緒にいたい」という気持ちのほうがずっと強かった。子どもがいても、二人なら何とかなる。そう思っていました。
子どもとの関係も、最初からうまくいったわけではありません。どう接していいか分からないこともありました。それでも、一緒に遊ぶ時間が増えるにつれて、少しずつ距離が縮まっていきました。
名前を呼んでもらえた。
「一緒に遊ぼう」と誘ってもらえた。
それが本当に嬉しくて、私の中には「このまま三人で暮らせたらいいな」という気持ちが生まれていきました。
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子どもとの距離が縮まっていった頃のことは、こちらに書いています。
→ 【ステップファミリーの記録】子どもとの距離が少し縮まった。焦らず積み重ねた時間が教えてくれたこと
結婚を考えたとき、見えてきた3つの葛藤
付き合い始めた頃、私は結婚したいと思っていました。
でも、将来を具体的に考えるほど、「好きだから結婚する」だけでは決められないと感じるようになりました。私の中で大きかったのは、次の3つです。
葛藤1:子どもの気持ちが、追いついているのか
大人同士で「結婚しよう」と決めることはできます。でも、その決断に子どもの気持ちが追いついているとは限りません。
いきなり三人の生活になったら、子どもはどう感じるんだろう。私のことを、本当はどう思っているんだろう。
だから私は、「すぐに結婚するより、まずは三人でゆっくり関係を作っていったほうがいいんじゃないか」と考えていました。
葛藤2:実の父親との関係を、壊してしまわないか
子どもは、実の父親のことが好きでした。今も会っています。私は、その関係を大切にしてほしいと思っていました。
「私が籍を入れたら、この子と実の父親との関係を壊してしまうことにならないだろうか」
結婚したからといって、実の父親との関係が必ずなくなるわけではありません。それでも子どもからすれば、家庭の形が大きく変わります。
ステップファミリーについて調べると、継親が実の親の代わりになるという単純な形ではなく、離れて暮らす実の親との関係も含めて考えることが大切だと書かれていました。知れば知るほど、「自分が父親になればいい」とは思えなくなりました。
葛藤3:自分は、この家庭を支えていけるのか
三人で暮らすことは、恋人同士の生活とはまったく違います。仕事だけでなく、家事、生活費、子どものこと。考えることが一気に増えます。
今までの私は、「好き」という気持ちを中心に考えていました。でも将来を考えるようになって、「好きだけで生活はできない」という当たり前のことに、改めて向き合うことになりました。
彼女の生活が変わり、別れを告げられた
実家を出て、子どもと二人の新しい生活へ
私たちの関係が変わったもう一つの大きな出来事は、彼女が子どもと二人で実家を出て、新しい生活を始めたことでした。
- 仕事をしながら、子どもの面倒を見る
- 家事をして、生活を回す
- 引っ越したばかりで、毎日がバタバタ
時間もない。お金の問題も出てくる。そうなると、恋人との時間はどうしても後回しになっていきます。
今振り返ると、今の彼女にとって仕事と子育てを優先するのは、とても自然な選択だったのだと思います。
「今は、仕事と育児を100%頑張りたい」
そして、彼女から別れを告げられました。
「今の私には、恋愛モードになるのが難しい」
「今は、仕事と育児を100%頑張ることを選びたい」
その言葉を聞いたとき、やっぱり苦しかったです。
一緒に暮らしたらいいんじゃないか。
私が家事をもっと負担すればいいんじゃないか。
デート代も、全部私が出せばいい。
まだ何かできることはあるはずだ。そう思いました。
解決策を探した私と、その余力がなかった彼女
私は、問題が起きたら「二人で話し合えば解決策は見つかる」と考えるタイプです。だから「私がもっと支える」「こうすれば時間を作れる」と、必死に方法を探しました。
でも、彼女にとっては、恋愛を続けるための解決策を考えること自体が、もう大きな負担だったのかもしれません。
仕事と育児で精一杯。生活を立て直すことで精一杯。その中で、恋人との関係まで話し合って、調整して、続けていく。それには、かなりのエネルギーが必要です。
二人が考えていたことの違い
- 私:「どうすれば付き合い続けられるか」
- 彼女:「今の自分に、恋愛を続ける余力があるのか」
もしかすると、ここに一番大きなすれ違いがあったのだと思います。
一番の後悔は、「大丈夫」の裏にある苦しさに気づけなかったこと
彼女は、もともと自立している人でした。
人にあまり頼らない。お金のことでも、私が出そうとすると「大丈夫」と言う。自分のことは自分でやる。
だから私は、「大丈夫なんだろう」と思っていたところがありました。
でも、「自立していること」と「余裕があること」は、同じではありません。
自分で頑張れる人ほど、「大丈夫」と言い続けてしまうことがあります。彼女も、いろいろなことを一人で抱えていたのかもしれません。
「もっと支えてあげればよかった」
そう思う一方で、今はこうも思います。
「支える方法を考える前に、彼女が今どれだけ大変なのかを、もっと早く聞けばよかった」
「全部自分が悪かった」と決めつけないために
失恋すると、どうしても自分を責めてしまいます。
「もっとこうしていれば」
「気づけなかった自分がダメだった」
私も、何度もそう考えました。
そんなときに役立ったのが、認知行動療法の「出来事」と「自分の解釈」を分けて考えるという方法です。
出来事(事実)
彼女の生活環境が大きく変わり、仕事と育児を優先するために、恋愛を続けるのが難しくなって別れた。
自分の解釈
「全部自分が悪かった」「自分にもっと力があれば、別れずに済んだ」
こうして並べてみると、「全部自分のせい」というのは、事実ではなく私の解釈だと分かります。
もちろん、振り返ることは大切です。私にも、もっとできたことはあったと思います。でも、恋愛は一人では続けられません。自分だけが頑張れば必ず続く、というものでもない。
だからこの別れを、「自分がダメだったから」の一言で終わらせないようにしたいと思っています。
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失恋のあと、頭の中がぐるぐるしてしまうときの整理の仕方は、こちらにまとめています。
→ 失恋して、ぐるぐる考えてしまう――その思考を少しずつ整理してみる
難しかったのは「シングルマザーとの恋愛」ではなく「家族になること」
この恋愛を振り返って、私の考え方は少し変わりました。
恋愛なら、「好き」「一緒にいたい」という気持ちが大きな力になります。でも、家族になることを考えると、そこにはいろいろなものが関わってきます。
- 子どもの気持ち
- 実の父親との関係
- 仕事と育児
- お金と時間
- そして、彼女自身の心と体の余裕
だから、たとえお互いに好きでも、恋愛だけを中心に人生を動かすのは難しいことがあります。
これは、シングルマザーだから悪いという話ではありません。子どもを一番に考えるのは、親として当然のことです。
シングルマザーとの恋愛が特別に難しいのではなく、子どもを含めて家族になっていくことに、恋愛とは違う難しさがある。
今は、そう考えています。恋人になったからといって、すぐに家族になれるわけではない。時間をかけて、少しずつ関係を作っていくものなのだと思います。
今でも「もし違う選択をしていたら」と考える
別れた今でも、ふと考えることがあります。
「もっと早く一緒に暮らしていたら」
「もっと私が支えていたら」
「もっと彼女の気持ちを聞いていたら」
でも今の私には、「別れなければよかった」という気持ちと同じくらい、「彼女にとっては、この選択が必要だったのかもしれない」という気持ちもあります。
彼女にとって一番大切なのは、子どもです。その子どもとの生活を守るために、今は仕事と育児を優先する。その気持ちは、私にも理解できます。
だから、苦しいけれど、「私を選んでほしかった」とだけ思うことはできません。
この失恋で、自分自身に問い直したこと
この恋愛を通して、私自身の課題も見えてきました。
- 自分は、本当に結婚したいのか
- どんな家庭を作りたいのか
- 子どもがいる家庭に入る覚悟はあるのか
- 自分は、何を大切にしたいのか
恋愛では、「自分が何をしてあげられるか」ばかり考えてしまいがちです。でも本当に必要なのは、「今この人は何を求めているんだろう」「そもそも今、この人に恋愛をする余裕はあるんだろうか」と考えることなのかもしれません。
まとめ|好きな人と一緒にいることと、家庭を作ることは同じではない
この失恋は、「シングルマザーだから別れた」という単純な話ではありません。
私は彼女が好きでした。子どもがいても、一緒にやっていけると思っていました。でも、時間が経つにつれて、恋愛の外側にあるたくさんの現実が見えてきました。
この恋愛から私が学んだこと
- 好きな人と一緒にいることと、その人と家庭を作ることは、同じではない
- 相手を好きになることは、その人の生活や環境まで考えることでもある
- 「何をしてあげられるか」の前に、「今この人に余裕はあるか」を見る
- 別れを「全部自分のせい」で終わらせない
今はまだ、失恋の痛みがあります。ふとした瞬間に彼女のことを思い出します。子どもと過ごした時間を思い出すこともあります。
それでも、この恋愛をなかったことにはしたくありません。
彼女を好きだったこと。子どもとの関係を築こうとしたこと。将来について悩んだこと。そして、別れを経験したこと。全部が、これから自分がどんな人生を生きたいのかを考える材料になったからです。
いつかこの失恋を振り返ったときに、「この恋愛があったから、少し家族というものを理解できた」と思えたらいい。
今は、そんなふうに思っています。


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