考えすぎて疲れる人へ|ぼーっとできない理由と、脳科学・CBTから考える脳の休ませ方【前編】

ぼーっと休めない人へ

今日は休みだから、ゆっくりしよう。」

そう思っていたはずなのに、気づけばYouTubeを見て一日が終わっていた。

動画を見ている間は気が紛れているように感じても、動画が終わるとまた頭の中で過去の出来事が始まります。

あの時、違う言い方をすればよかった。
なんであんな行動をしてしまったんだろう。」
相手は今でも悪く思っているかもしれない。

私自身、このような考えが何度も頭の中をループしていました。

特に休日で予定がない日ほど、その傾向は強くなります。

本当は何も考えず、ただぼーっと過ごしたい。

でも、それができない。

そんな自分を責めたことも何度もありました。

作業療法士として脳や心について学び、さらに認知行動療法(CBT)や脳科学の研究を調べる中で気づいたことがあります。

それは、「脳を休ませる」とは、何も考えないことではないということです。

この記事では、私自身の体験と科学的な知見をもとに、「考えすぎて疲れる理由」と「脳を休ませるための考え方」をお伝えします。


考えすぎるのは、あなたの性格だけが原因ではない

考えすぎる人は、自分に対してこんな言葉をかけてしまいがちです。

「もっと切り替えればいいのに。」
「いつまで昔のことを考えているんだろう。」

私も同じでした。

しかし、心理学では「反すう思考(はんすうしこう)」と呼ばれる現象が知られています。

反すう思考とは、過去の出来事や失敗、不安を繰り返し頭の中で考え続けてしまう状態です。

問題を解決するために考えているつもりでも、実際には同じ内容を何度も繰り返してしまい、気づけば疲れだけが残っていることも少なくありません。

実際、反すう思考はストレスや不安、抑うつとの関連が多くの研究で報告されています。

つまり、「考えすぎる」のは意志が弱いからではなく、脳の働き方や思考のクセが関係している可能性があるのです。


休日になると、なぜ頭の中がうるさくなるのか

私が一番つらいのは、休日に何も予定がない日です。

朝起きても「今日は何をしよう」と決められず、なんとなくスマホを開きます。

YouTubeを見ている間は気が紛れます。

でも動画が終わると、また過去の失敗や人間関係について考え始めてしまいます。

「あの時、ああ言えばよかった。」
「逆に、何も言わなければよかったかな。」

そんなことを何年も前の出来事なのに繰り返してしまうのです。

今思えば、予定がないこと自体が問題ではなく、「脳が向かう先を失っていた」のかもしれません。


脳科学では「ぼーっとしている時」も脳は働いている

何も考えずにぼーっとしたい。

そう思ったことはありませんか。

実は、脳科学では「ぼーっとしている時間」も脳は活動しています。

その時に働きやすいとされるのが、「デフォルト・モード・ネットワーク(Default Mode Network:DMN)」という脳のネットワークです。

DMNは、過去の出来事を思い出したり、未来を想像したり、自分や他人について考えたりするときに活動しやすいことが分かっています。

これは本来、人間にとって大切な働きです。

経験を振り返り、将来に備えるためには必要な機能だからです。

しかし、DMNの活動が強くなりすぎると、過去の失敗や後悔を何度も繰り返し考えてしまう「反すう思考」につながる可能性があります。

だから私は、「ぼーっとしたい」と思っても、頭の中では過去の出来事が再生され続けていたのかもしれません。


「何も考えない」は、実は難しい

以前の私は、「考えないようにしよう」と頑張っていました。

でも、考えないようにするほど、余計に考えてしまいます。

これは心理学でも知られている現象です。

有名な実験では、「白いクマのことを考えないでください」と言われた人ほど、逆に白いクマを思い浮かべてしまいました。

つまり、脳は「考えない」という命令が苦手なのです。

だから、「何も考えない」を目標にすると、かえって苦しくなることがあります。

私も、このことを知って少し気持ちが楽になりました。

大切なのは、「考えない」ことではありません。

考え続けなくても大丈夫な時間を、少しずつ増やしていくことなのだと思います。

【後編では、散歩や運動、読書、自然、CBTなど、科学的にも効果が期待されている「脳を休ませる習慣」を、私自身の体験も交えながら詳しく紹介します。】

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