過去を消そうとしていた自分が、少しずつ受け入れられるようになるまで

過去の出来事を思い出してしまう

過去のつらい出来事を思い出して、苦しくなることはありませんか?

私はあります。

しかも、一度思い出し始めると止まらないことがあります。

「あの時、酷いことを言われた」
「あんなことを言わなければよかった」
「なんで自分はあんな弱い人間だったんだろう」

そんなことを何度も考えてしまい、気づけば何年も前の出来事に心を支配されていることがありました。

以前の私は、そんな過去をできるだけ思い出さないようにしていました。

でも今振り返ると、過去から逃げようとするほど、逆に過去に縛られていたような気がします。

今回は、ADHDの診断を受けるまでの自分と、その後どのように過去との向き合い方が変わっていったのかを書いてみようと思います。

同じように過去の失敗や人間関係を引きずっている方の参考になればうれしいです。


なぜ私は過去を思い出すたびに苦しくなっていたのか

私が特につらかったのは、子どもの頃から感じていた「集団の中での居づらさ」です。

今振り返ると、ADHDの特性が影響していた部分も大きかったと思います。

思ったことをそのまま口にしてしまう。

空気を読むのが苦手。

衝動的に行動してしまう。

ミスが多い。

そんなことが積み重なり、私はよく周囲から浮いていました。

仲間外れとまではいかなくても、どこか集団の中心には入れない。

気づけばいじられ役になっている。

そんな経験が何度もありました。


「居たいのに居づらい」が一番つらかった

当時の私は、本当は友達が欲しかったんです。

みんなと仲良くしたかった。

集団の中で認められたかった。

でも、なぜかうまくいかない。

集団の中にいると居心地が悪い。

だから離れる。

すると今度は一人になってしまう。

特に学生時代は、この繰り返しでした。

今思うと、

「一人は寂しい」
「でも集団に入るのも苦しい」

そんな状態だったのだと思います。


過去を思い出さないようにしていた頃

大人になってからも、過去の記憶はたびたび頭に浮かんできました。

そのたびに私は、その記憶を追い払おうとしていました。

思い出さないようにする。

考えないようにする。

見ないようにする。

でも、不思議なことに忘れようとするほど思い出してしまうんです。

心理学では「シロクマ効果」と呼ばれることがあります。

「シロクマのことを考えないでください」と言われると、逆にシロクマが頭に浮かんでしまう現象です。

私もまさに同じでした。


頭の中で過去を書き換えていた

今だから言えますが、私は過去を都合よく解釈していた時期があります。

本当は集団の中で苦労していたのに、

「人気者だった」

「自分はリーダー的な存在だった」

そんなふうに頭の中で物語を書き換えていました。

もちろん、本気でそう思っていたわけではありません。

ただ、それくらい現実を見るのが苦しかったのだと思います。

空想の中にいる時だけは、自分を守ることができました。


ADHDの診断が大きな転機になった

私の中で大きく考え方が変わったのは、ADHDの診断を受けてからです。

診断を受けた瞬間に人生が変わったわけではありません。

でも、

「なぜ自分は人と同じようにできなかったのか」

その理由が少し理解できたことは大きかったです。


「性格が悪かった」のではなく「特性があった」

それまでの私は、

「自分は変な人間なんだ」

「努力が足りないんだ」

と思っていました。

でも発達障害について学ぶ中で、

「特性によって起こりやすかったこともある」

と考えられるようになりました。

もちろん、過去の行動がすべて仕方なかったと言いたいわけではありません。

ただ、自分を責め続けるだけでは何も前に進まないことにも気づきました。


過去を受け入れると対策が見えてくる

以前の私は、

「こんな自分ではダメだ」

という気持ちが強かったように思います。

でも、現実を受け入れ始めてから少しずつ考え方が変わりました。

たとえば、

衝動的に話しやすい。

空気を読むのが苦手な場面がある。

集団の中で誤解されやすい。

そういった傾向があるなら、

「どうすれば失敗を減らせるだろう」

「どんな環境なら力を発揮しやすいだろう」

と考えられるようになります。

受け入れることは諦めることではありません。

むしろ現実的な対策を考えるスタートラインなのだと思います。


今でも過去に引っ張られることはある

正直に言うと、私はまだ完全に過去を乗り越えたわけではありません。

仕事でミスをした時。

上司から少し厳しいことを言われた時。

人間関係で違和感を覚えた時。

そんな場面では、昔の記憶がよみがえることがあります。

「また仲間外れになるのかな」

「また嫌われるのかな」

そんな考えが頭をよぎることもあります。

過去の自分を傷つけた人を思い出して、怒りが湧くこともあります。

それは今でもあります。


それでも以前より楽になった理由

以前との一番の違いは、思い出してしまう自分を否定しなくなったことかもしれません。

過去を思い出した時、私はこう考えるようにしています。

「今は過去の記憶が出てきているだけ」

「これは今起きていることではない」

「昔はそうだったかもしれない。でも今は違う」

完全に気持ちが消えるわけではありません。

それでも、少し距離を取れるようになりました。


一人の時間をどう過ごすかも大切

私は一人でいる時ほど、過去の記憶に引っ張られやすい傾向があります。

だからこそ、

など、意識的に今に戻る時間を作っています。

気を紛らわせるというより、「現実に戻るための行動」に近い感覚です。


過去を受け入れることは、自分を知ることだった

以前の私は、過去を消そうとしていました。

思い出さないようにする。

なかったことにする。

別の物語に書き換える。

でも、その方法では本当の意味で楽にはなれませんでした。

ADHDという特性を知り、自分の過去を振り返る中で少しずつ気づいたことがあります。

それは、過去を受け入れることは、自分を諦めることではないということです。

むしろ、

「自分はどういう人間なのか」

「何が苦手で、何が得意なのか」

を理解するための大切な作業でした。

今でも過去に苦しむことはあります。

それでも以前より、自分を責める時間は少し減ったように思います。

もし今、過去の失敗や人間関係を引きずっている人がいたら、無理に忘れようとしなくてもいいのかもしれません。

過去を見つめることは苦しい作業ですが、その先には少しだけ生きやすくなるヒントが隠れているような気がしています。


コメント

タイトルとURLをコピーしました