弟と家族の経過
以前、私は「精神疾患が疑われる弟と家族の体験」についてブログを書きました。
弟に精神的な不調と思われる変化が現れ、家族みんなが戸惑いながら過ごした日々を、その時の気持ちのまま綴った記事です。
あれから数か月が経ちました。
「何か大きく変わりましたか?」と聞かれると、正直に言えばそうではありません。
病院を受診できたわけでもなく、症状が劇的に改善したわけでもありません。
それでも、家族として大きな気づきがありました。
それは、「変わるべきなのは本人だけではない」ということです。
今回は、その後の経過と、家族として私が感じたことを書いていきます。
弟は仕事を始めた。でも受診にはつながらなかった
以前、弟は病院を受診する方向で話が進んでいました。
しかし、その後も受診には至っていません。
最近は車関係の工場で働き始め、三交代勤務の派遣社員として約2か月仕事を続けています。
仕事を続けられていることは、家族としてうれしい出来事でした。
一方で、仕事が忙しいこともあり、
「休みの日くらいはゆっくりしたい。」
という思いが強く、病院へ行く気持ちにはなれないようです。
精神的な不調は今も続いています。
家の中や外で突然大きな声を出してしまうこともあり、家族として心配な日々は変わっていません。
だからといって、「仕事ができているから大丈夫」とも思えませんし、「仕事ができているのだから病院は必要ない」とも考えていません。
今は、本人の生活を見守りながら、受診につながるタイミングを待つしかないのかもしれないと感じています。
お酒との付き合い方は、家族全員の課題だと感じた
弟は、お酒を飲んだ翌日に精神的な不調が強くなっているように感じることがあります。
特に休日前には飲酒量が増えやすく、その後に調子を崩してしまうことが少なくありません。
本人もそのことは自覚しているようで、
「少し本数を減らそう。」
と努力はしているようです。
精神的な不調がある場合、アルコールによって症状が悪化したり、適切な治療の妨げになったりすることがあります。
もちろん、お酒だけが原因とは言えません。
それでも、少しでも良い方向へ向かうために、飲酒量を見直すことには意味があるのではないかと私は考えました。
「本人だけが頑張る」は違うと思った
そこで私は父に、ある提案をしました。
「弟だけがお酒を我慢するんじゃなくて、家族みんなで少しの間だけでも控えてみない?」
私が伝えたかったのは、お酒を禁止することではありません。
本人だけが努力するのではなく、家族も同じ方向を向いて歩くことが大切なのではないか、ということです。
しかし父は、
「なんで俺がお酒をやめないといけないんだ。俺がお酒を辞めても、弟が病院受診するわけではないし。関係ない」
と強く反発しました。
その気持ちも理解できます。
でも私は、病院へ行くかどうかだけが目的ではないと思っています。
弟が「自分だけが我慢している」と感じるより、「家族も一緒に頑張ってくれている」と感じられるほうが、少しだけ前を向けるのではないか。
そんな思いを父に伝えました。
人はすぐには変われない。でも少しずつ変われる
その時は、父も納得した様子ではありませんでした。
話し合いは平行線のまま終わり、「伝わらなかったかな」と思っていました。
ところが、その日の帰りがけに
父からLINEが届きました。
「家で飲むのは少し控えようと思う。」
その一文を見たとき、私は少し安心しました。
劇的な変化ではありません。
でも、人は一度で変われなくても、少しずつなら変われることがある。
そんな希望を感じた出来事でした。
後々分かったのですが、実は父のお父さん(僕から見たら、おじいちゃん)はアル中だったそうで早くに亡くなっていました。家系的にも、お酒に依存しやすいんですよね。
なので、お酒の量を減らすのは家族にとっても大きな一歩だと思います。
家族だからこそできる支え方がある
私は作業療法士として働いています。
仕事でも、ご本人だけでなく、ご家族と関わる機会がたくさんあります。
その中で感じるのは、精神的な不調と向き合うとき、本人だけが努力し続けるのはとても苦しいということです。
もちろん、受診するのも、治療を受けるのも本人です。
でも、安心できる家庭や、「一人じゃない」と思える環境は、本人にとって大きな支えになることがあります。
だから私は、家族も一緒に少しずつ変わっていけたらいいと思っています。
私たち家族がこれからも大切にしたいこと
弟はこれからも失敗することがあると思います。
仕事が続かない時期が来るかもしれません。
精神的な不調が強くなることもあるかもしれません。
でも、家族だけは弟を責めない存在でいたい。
私たち家族も、それぞれ失敗を経験しながら生きています。
だからこそ、
「失敗した人を笑わない。」
「一人だけに頑張らせない。」
そんな家族でありたいと思っています。
家族全員が完璧になる必要はありません。
少しずつ理解し、少しずつ歩み寄る。
その積み重ねが、家族にとっても、本人にとっても、安心して過ごせる居場所につながるのではないでしょうか。
まとめ
弟の状況は、大きく変わったわけではありません。
それでも、家族の考え方には少しずつ変化が生まれています。
私は、「本人だけが変わる」のではなく、「家族も一緒に変わる」という姿勢を大切にしたいと思っています。
これから先も思うようにいかない日があるでしょう。
それでも焦らず、一歩ずつ。
家族だからこそできる支え方を探しながら、一緒に歩んでいきたいと思います。
もし今、精神的な不調を抱えるご家族との関わり方に悩んでいる方がいたら、この記事が少しでも「一人じゃない」と感じられるきっかけになれば幸いです。

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